【特別区経験者採用】本試験講評|令和4年度

今回は令和4年度、特別区経験者採用試験本試験の講評をご案内したいと思います。その前に、まずは皆さん昨日の本試験の受験大変お疲れ様でした。

朝から夕方まで本試験、ずっと通しでありましたので、大変疲れたんじゃないかなと思います。お受けになってみて、手応えがありましたという方もいれば、あんまり手応えはなくてという方もいらっしゃると思うんですね。

ただ、あまり手応えがなかったという方に申し上げたいんですけれども。仮に、皆さん方の手応えがちょっとイマイチだったとしても、もしも問題の難易度自体が例年よりも上がっていて、その結果として伸び悩んだのだとすると、皆さん方だけではなくて他の受験生もやっぱり点数伸び悩むわけですよね。

そういうことになって参りますと、全体の平均点が下がることになりますので、おそらくは足切り点も下がる方向に動いて参ります。それらを踏まえますと、本試験の難易度がどうだったのか。

このあたりって、とても重要なファクターになってきますよね。ですので、今回の動画では本試験の難易度が全体的にどうだったのか、ポイントを交えながらご案内をしていきたいと思います。

流れとしては、当日のスケジュール通り、職務経験論文→教養試験→課題式論文。この順番で皆さん方にポイント、あるいは難易度、我々の私見ではありますけれどもご案内をしていきたいと思っております。

なお、下記のYouTube動画でも解説を行っているので、併せてご視聴ください。

職務経験論文

まずは職務経験論文からご案内をしていこうと思います。今年の職務経験論文、テーマはこんな感じでしたね。

職場の活性化について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください。

≫【過去問】特別区経験者採用(職務経験論文)出題テーマ一覧

難易度としてはどうだったのかというところですけれども、私どもGravityとしては昨年と比べるとかなり易しかったのではないか、書きやすかったのではないかと思っています。まず、昨年の職務経験論文はどんなテーマが出題されたのかというと「仕事における目標設定と振り返り」こういったテーマが出題されました。

この「仕事における目標設定」と「振り返り」ということで、いわば2つの話がテーマとして出題されてしまったわけですね。ですので、かなり多くの受験生が昨年は職務経験論文に面食らったというところがありました。

しかし、それに比べると今年は例年に回帰したという形で、1つ「活性化について」というものでしたので、かなり書きやすかったんじゃないかなという印象を持っております。実際にGravity生に話を聞いてみても、1200字以上しっかり書けましたという方が大半でした。

こういったことを踏まえますと、おそらく内容面に関して、受験生の間で大きな差が出るということはあまりないように私には思えます。じゃあどこで差がつくんですか、ということになりますけれども、この場合には、おそらくどれだけ読みやすい内容になっているか、そして形式的にどれだけ適切な表現を用いることができているのか。

こういったところが評価の分かれ目になってくるのかなと私どもは考えております。もしかしたら「活性化」というテーマが少し抽象的でどういう風に書けばいいの?って迷った方もいらっしゃると思うんですよね。

この場合には、具体的に申し上げますと、例えば「職場やメンバーに対して自分から積極的にコミュニケーションを取る」とか「良好な人間関係を取るためにこんなことを心がけてきました」とか「チームやメンバーに自ら働きかけることによって」「組織として連携を強化して職場の生産性を高めました」。こういった流れでもよかったのではないかと思っております。

つまり「職場においてプラスになるような周囲への働きかけ」こういった内容をきちんと書けていたのであれば、おそらく方向性として大きくズレているということはないと思いますので、ここに関してはご安心をいただければと思っております。

教養試験

次に、教養試験について講評を申し上げたいと思いますけれども、まずは文章理解と数的処理についてご案内をしようと思います。文章理解につきましては、私の感覚ですけれども例年並という印象を受けました。

現代文についても、英文についても、例年並。形式も大きな変更はございませんでしたので、私は例年並だったかなという印象を持っております。

ただし、数的処理に関しては明らかに難化したと思っております。例えば空間把握。

例年は「立体の体積」という論点を比較的よく見かけるんですけれども、それも出てきませんでした。そして、それ以外の部分についてもちょっと面倒だなという論点が確かに多かったです。

これは何も空間把握に関してのお話だけではございません。数的推理、判断推理、資料解釈、これらもそれぞれに例年よりも難しかったなという印象を私は感じましたね。

ということで、数的処理に関しては相当数の方が例年よりも伸び悩んだと言っております。ですので、もしも皆さん方がちょっと難しかったという感想を持ってらっしゃるのであれば、それは誠に妥当な感覚なのではないかと思っております。

次に、時事問題ですけれども、時事問題に関してはやや難化したというのが私の印象です。やや難化、というのはどういうことかと申しますと、まずは出題されたニュースが一体いつの話なんですか?というところに着目をしてみたいと思います。

この出題されたニュース、いつのニュースなのかについては、だいたい例年通りだったという感じがします。時事問題は6問出題されたと思うんですけれども

・岸田総理の所信表明演説
・トンガ沖噴火に関して

これら以外は全て今年の3~4月のニュースでしたよね。ということで、本試験に近い月のニュースが出ているというところに関しては、例年と似たような傾向という感じがします。

その意味では、例年通りだなというところがあるわけですけれども。ただし、じゃあその上で何でやや難化ですか?ということになると、細かいところではちょっとだけ傾向が変わっているんです。

具体的に申し上げますと、例年時事問題は6問中1問は何かしらの「統計に関する問題」が出題されて参ります。ですけれども、今年は統計に関する出題がなかった。

それだけではありません。例年、6問中1問は「技術や宇宙に関する話」というのが出てくるんですけれども、今年は技術や宇宙について出題がなかった。

つまり、傾向が多少変わったんじゃないか。こういう風に考えられます。

ということで、大幅な難化というのは言い過ぎかもしれないですけれども、傾向が変わったという意味においては、やや難化と言っても問題ないのではないかと私自身は感じております。そして、選択解答の部分も難化したというのが私の印象であります。

とくにGravityでは社会科学の選択を推奨しておりますので、社会科学に関してご案内をしていこうと思うんですけれども。

社会科学に関しては、例年と明らかに傾向が異なっていたという感じがいたします。具体的に申し上げますと、過去に出題されていない論点が中心的に出題されてきたから、というのが難化の大きな理由だと考えられます。

例えば社会科学の問題の中に「我が国平和主義又は安全保障」に関する問題があったと思うんですね。これに関しては確かに2018年には一度出題されているんですけれども、正しい選択肢を見てみますと全然被ってないというところがございます。

ですので、過去問をしっかり見ていた方に関しても「我が国の平和主義又は安全保障」に関しては正解することは難しかったんじゃないかなと感じます。同様の話は社会科学の経済に関しても当てはまります。

私は経済が専門なので分かるんですけれども、例えば今年は経済の問題が2問出題されました。具体的に申し上げますと「国際収支」と「為替相場」に関する問題が出題されました。

厳密に申し上げますと、2012年に国際収支と為替変動・為替相場の問題は出題があるんですけれども、それでも10年前ということになりますので、相当古い問題なわけですね。ですので、多くの受験生はおそらくマークしていなかったと思うんですよ。

もちろん、例えば社会科学のテキストをギチギチにやり込んでいました、という方だったら得点はできたかもしれないですけれども、多くの受験生にとっては国際収支、為替変動・為替相場、この論点はすごく難しかったのではないかと感じております。それ以外の論点につきましても、過去問の焼き直しというのがすごく少なかった印象があります。

そういったことも踏まえて考えますと、選択解答についてはやはり難化したと言わざるを得ない。そういう風に私どもは考えております。

課題式論文Ⅰ

では、ここからは課題式論文の講評に移りたいと思います。まずはテーマの1つ目「シティプロモーションについて」このテーマについて講評申し上げたいと思います。

結論から申し上げますと、このシティプロモーションはこれまでの出題傾向とは少しズレたテーマでありました。ですので、多くの受験生にとってはかなり難しかった、あるいはそもそも選択しなかったという方のほうが多いんじゃないかと思っております。

その上で、今回のテーマに関しては

・シティプロモーションが求められている背景
・その上で必要な取組

こういった流れになっていたのであれば、大きな問題はなかったと私自身は感じております。では、シティプロモーションが求められる背景ってどんなものがあり得ますか?というところなんですけれども。

色々なものがあり得るとは思うんですけれど、あえて2つ述べるのであれば、1つ目としては、例えば「シビックプライドの醸成」2つ目としては「区外からの認知度を高めていく」というところが挙げられようかと思います。

例えば、住みたいとか、訪れたいとか、こういう風に思う人たちを増やしていく。このためにシティプロモーションが求められている。

こういった流れをきちんと分かりやすい文章で書けていればGoodだと、個人的には思っております。その上で、具体的な取組としてどんなものが考えられるのかというところですけれども、例えば、SNSやYouTube、こういった多様な媒体を活用してPRしていくこと。

これが一つ挙げられるかもしれません。それ以外にも、フィルムコミッションといったものも考えられるかもしれませんね。

あるいは、区内の事業所、商店街と連携して共通のロゴマークや共通のキャラクター、こういったものを使って街をPRしていくというのもあり得るかもしれません。それ以外にも、例えば海外に対してのPR。

特別区には外国人の方も非常にたくさんいらっしゃいます。働いてる方もいらっしゃれば、留学で来ている方もいます。

その人たちを巻き込んで、海外向けのPR戦略を行っていく。こういったことも取組としては考えられるのではないかと思っております。

今挙げたもの、4つございました。

①多様な媒体を活用してPR
②フィルムコミッション
③地域の事業所や商店街との連携
④海外へのPR

今挙げた4つの物につきましてはあくまでも一例に過ぎませんけれども、こういった取組について、いくつか分かりやすい表現できちんと書けていたのであれば、おそらく合格点には達するのではないかと考えております。

課題式論文Ⅱ

次に、2つ目のテーマ「複雑化・多様化する区民ニーズへの対応」。こちらについても講評申し上げます。

おそらくは、こちらのテーマの方が多くの受験生にとっては書きやすかったのではないかと思っています。実際にGravityの受講生に聞いてみますと、ほとんどの受講生はこちらのテーマを選択しております。

このテーマ、具体的にどんな形で書いていけばよかったんですか?という話になりますけれども。こちらに関しましても、先ほどのⅠ番のテーマと同様に、例えば「複雑化・多様化する区民ニーズ」こういったものは背景がどんなものなのか。

そして、その背景を踏まえた上で、どういった取組を特別区として行っていけばいいのか。こういったシンプルな構成であれば問題ないように思います。

まずは、特別区において区民ニーズが複雑化・多様化している背景ですよね。こういったところを述べる必要があるわけですけれども、いくつかのものが考えられると思うんですね。

例えば、特別区は住民の転出・転入が非常に多くて、住民の流動性が高いということがよく言われますよね。となってくると、当然色々な人の出入りがそこでは起きているわけですから、区民のニーズも複雑化していきそう、多様になっていきそうだな、というのはなんとなくイメージできるところであります。

あるいはそれ以外にも、特別区は日本人だけではなくて外国人の住民の方も非常に大勢いらっしゃるわけですね。となってくると、当然日本人とは価値観や文化、こういったものが異なって参りますので、そこから生じてくる区民のニーズといったものにもやはり違いは出てきそうな感じがします。

あるいは、特別区においては住民の世帯構成や社会経済的な環境というものもかなりバラつきがありますよね。となってくると、そのバラつきが故に、そこに住んでいる住民たちが考えてること、求めてること、つまりは”ニーズ”ですね。

こういったところに関しても複雑化・多様化してくるのではないか。こういう風に考えることができます。

いくつかの背景を述べましたけれども、こういったことについて何かしら述べられていたのであれば、大枠ではOKなのかなと私自身は思います。それらを踏まえた上で、どういった取組を書けば良かったのか、ということですけれども。

何か、奇をてらった取組を書く必要はなかったのではないかと私自身は思います。具体的に申し上げますと、例えば「住民に対する広聴活動の拡充」あるいは「住民の区政参画の推進」。

つまり、住民のニーズを正確に把握しましょう、住民のニーズを把握した上でそれを活かす取組をしっかりやっていきましょう。こういった取組について述べられているのであれば、大きな方向性としては間違っていないのではないかと考えています。

全体総括

ということで、全体の総括をご案内申し上げますと、職務経験論文と課題式論文に関しましては、昨年と比べたときに私は平易だったのではないかと思っています。その意味で、論文についてしっかり対策をしてきました、という受験生にとってはかなり戦いやすい年だったのではないかと感じております。

しかし、先ほど教養試験の講評でも申し上げた通り、教養試験については明らかに難化したと思います。ですので、もし皆さんが自己採点をやってみて点数が伸び悩んでるということになったとしても、それほど心配をする必要はないのではないかと思います。

というのも、特別区においては、難易度がすごく高くて平均点が全体的に伸び悩んだ、こういった状況下においては、おそらく足切り点自体が下がる方向に動きます。したがいまして、私どもGravityは、例年に引き続いて教養試験の足切り点は下がる方向に動くと思っております。

個人的な見解を申し上げますと、昨年よりも教養試験の足切り点は下がる。そういう方向に動くのではないかと私は考えております。

面接対策に入ろう

最後に、以降の試験対策について、皆さん方に3つのことご案内をしたいと思います。

1点目に、少しでも手応えのあった方は面接対策に入ることを推奨します。ここについては、過去の動画でも繰り返しご案内してきたところでありますけれども、特別区経験者採用試験は1次試験の合格発表があってから面接までどれくらいの時間があるのかと言いますと、一週間前後しかございません。

つまり、1次試験の合格発表があってから「よし、じゃあ面接対策に入ろう」これではとても間に合わないというのが特別区経験者採用であります。ですので、少しでも手応えのあった方は面接対策に早めに取り掛かっていくのが良いのではないかと考えております。

もちろん、皆さんとしては「教養の手応えがあまりなくて、足切りにきっと引っかかってるんで…」という思いもあるかもしれないんですけれども、先ほど講評でもご案内した通り、教養試験に関しては難化しましたので、間違いなく足切り点は下がる方向に動きます。そうなったときに一番もったいないのは、きっと自分は足切りになってるからもう対策しても無駄だな、こういう風に思っていたら1次試験合格していた!というパターンがあり得るわけですよね。

でも、一週間しか時間がなくて、面接を十分に対策することができなくて面接落ちてしまいました。本当にこれはもったいないケースですよね。

ということでもありますので、繰り返しになってしまって恐縮ですけれども、少しでも手応えがあった方。教養にしても論文にしても、手応えがあったという方に関しては、面接対策に早めに入っていった方がいいのではないかと考えます。

Gravityからのアナウンス

2点目に、Gravityからのアナウンスであります。先ほどの話、面接対策に早めに入った方がいいですよ、ということを申し上げました。

ですので、もしかしたらこれを見てくださってる皆さん方の中には「じゃあGravityで面接対策をちょっとやりたいな」そういう風にありがたいことに思ってくださる方もいらっしゃるかもしれないんですけれども。

大変申し訳ないんですけれども、Gravityは内部の受講生、コースを利用してくださっている内部の受講生にのみ面接対策の講義、模擬面接、こういった面接対策のサービスを提供しております。ですので、これを見てくださってる皆さん方がGravityのコース生ではないという場合には、大変申し訳ないんですけれども面接対策についてサービスを提供することはできません。

昨年までは、Gravityも一般の方々に対して面接対策のセミナー、模擬面接、面接の質問集、こういったものを提供しておりました。けれども、今年はありがたいことに非常に多くの方からGravityのコースをご利用いただいております。

ですので、内部の受講生の方々に向けて私たちもリソースを全て集中していきたいと考えております。本来であれば、外部の方々に対しても面接対策の講義とか模擬面接とか、それ以外にも様々なサービスを提供していきたいという思いはあったんですけれども、今年に関しましては外部の方々に向けて何か面接対策のサービスを提供することは難しい状況でございますので、何卒この点に関しましてはご理解をいただければと思っております。

予備校・塾を利用しよう

「じゃあ、面接対策どうすればいいんですか?」と考えてらっしゃる皆さん方に対して、最後に3点目のご案内をしたいと思います。

ぜひ皆さん方にあっては、しっかりした予備校や塾、こういったところで面接対策のトレーニングを積んでいただきたいと思っております。再三再四のご案内になり恐縮ですけれども、特別区経験者採用試験においては面接が非常に重要であります。

面接の時間も非常に長いですし、深掘りもたくさんされて参ります。それを考えますと、やっぱりしっかりした予備校や塾、こういったところを利用して真っ当な面接対策を地道に重ねていくのが一番いいのではないかと思っております。

これは決してポジショントークではございません。もし仮にGravityが、皆さん方に対しての面接対策のサービスを提供しているのであれば「予備校や塾を使いましょう」というのはポジショントーク以外の何者でもないわけですけれども、繰り返しになってしまって恐縮ですけれども、Gravityは内部の方にしか面接対策のサービスを提供しておりません。

ですので、これを見て下さってる多くの方々に対して面接対策のサービスを提供して、何かしら金銭的な報酬を得ようとは考えていないわけですね。したがって、これは決してポジショントークではございません。

私どもGravityとしては、たとえ皆さん方に対して面接対策のサービスを提供することが難しかったとしても、きちんとしたところでトレーニングを積むことで合格の可能性を高めていっていただきたいと思っております。もちろん、予備校や塾でなかったとしても、個人で非常に良いサービスを提供している方というのはいらっしゃるのかもしれません。

ただし、ここからの1か月間、どういった面接対策を積むのかというのは皆さん方の人生の大きな方向性を左右することになって参ります。ですので、それを踏まえますと、しっかりとした予備校や塾、こういったところで基礎・基本の部分から真っ当なトレーニングを積んでいっていただきたい、そういう風にGravityは考えております。

以上が私どもから皆さん方にご案内したい内容の全てです。今回の講評動画、ぜひ以降の意思決定に参考にしていただきたいと思っておりますけれども、まだまだ特別区経験者採用試験は続いて参ります。

むしろ、ここからが本番と言っても過言ではありません。ですので、ぜひ気を抜くことなく、面接対策を頑張っていただきたいと考えております。

とは言いつつも、ここから一週間くらいはしっかり休んでいただいた上で、疲労を抜いてリフレッシュをして、新たな気持ちで面接対策に向き合っていただきたいと思っております。

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